成功しても成功しても、自信に繋がらない。
心のどこかで成功をたまたまと思っていませんか?
「勝って兜の緒を締めよ」と、言いますが、謙虚すぎるのも問題です。
もしあなたが成功を素直に喜べないなら、インポスター症候群かもしれません。
多くの人は、努力をして何かを成し遂げると、普通は
「あぁ努力の甲斐があった。頑張っていれば報われるよね」
「次も頑張ろう」
と、感じますよね。
しかし、インポスター症候群の方だと
「たまたま上手くいったけど、次が上手くいくとは限らない」
「今回上手くいったのはたまたま。努力なんて報われるとは限らない」
と、せっかくの成功もネガティブに捉えてしまいます。
失敗をした時に一時的にネガティブになるのは誰しもが経験します。
しかし成功体験をした後でもネガティブな心理が生じることは普通ではありません。
こういった自分の実力や能力を信じることができない状態、つまり自己肯定感が極端に低い状態をインポスター症候群と呼びます。
インポスター症候群は、1978年に心理学者のポーリン・R・クランスとスザンヌ・A・アイムスによって提唱された症候群です。
あの韓国ポップ・グループであるBTSでも一時的なインポスター症候群に陥ることがあると雑誌で読んだ時には驚きました。
しかし、自分が感じているプレッシャーを受け入れ正面から対処しているというコメントからはたくましさを感じました。
ただインポスター症候群を有する人が全てBTSのように正面から立ち向かって克服できるとは思えません。
ここでは、誰でも無理なくインポスター症候群に対処できるエクササイズを紹介します。
こんにちは。
製薬企業医師のヒロスケです。
今回は「インポスター症候群」についてです。
インポスター(Imposter):詐欺師、ペテン師、偽物
インポスター症候群の人は、自分の実力を信じることができません。
何かの成功体験をしても、たまたま運よく成功したことなので、この結果で周囲を欺いている(詐欺を働いている)ように感じてしまい、他人からの評価を受け取ることができません。
従って、成功をおさめたにも関わらず、必要以上に謙遜し、自身を卑下する傾向があります。
インポスター症候群は、疾患として病院で治療を要する疾患ではありません。
しかし、うつ病や適応障害に発展する可能性は十分にあり得、放置しておくと危険です。
インポスター症候群の人は、決して能力の低い人がなるわけではありません。
むしろ勤勉な人が陥る状態であると言っても良いでしょう。
実際に仕事で一定の成果は得ています。
しかし、成果は運によって得たものと感じているため、褒められることがいたたまれなくなります。
そうすると自分の成果を否定しますが、その行動は謙遜しているように見えます。
傍目でみて、極端な謙遜は悪い印象を生みます。
結果として必要以上に周囲からの妬みを感じるようになります。
周囲からの期待と妬みを同時に感じ、動けなくなります。
仕事場では期待と妬みをごちゃまぜになった状態に身を置くことになります。
結果、行動すればするほど苦痛を感じるため、何もできなくなります。
何もしなければ、誰からも期待もされないし、妬まれることもありません。
結果、うつ病や適応障害を発症します。
幼少の頃より厳しすぎるしつけを受けてきた人。
協調性ばかりを重要視した教育を受けてきた人。
目立つことを是とせず、組織・集団の成功が評価されると信じてきた人。
こういった人に良く認められます。
こういった人が社会に出て、会社の評価システムに組み込まれるとどうでしょう?
混乱することは予想に難くないのではないでしょうか?
心理学で説明すると、インポスター症候群は、深層心理のレベルで自分の実力を信じていない状態を指します。
自分自身を信じることができる。
その状態になることこそが重要です。
いかなる成果でも自分の実力が反映された結果です。
成功も失敗も自分のものです。
もちろん時の運もあるでしょう。
誰かの助力があって初めて成功した仕事もあるでしょう。
しかし人の助力もあなただから得られたリソースです。
感謝の気持ちを忘れてはいけませんが、自分の成果だと受け入れることに躊躇する必要はありません。
その上で5つのポイントを示します。
自分に何ができて、何ができないか?
これを冷静に評価しましょう。
出来ないことはサポートをお願いする。
できる事でも自信がなければ、相談する。
助けてもらったことに感謝し、そして結果だけを評価しましょう。
結果がポジティブであれば、自分を褒めましょう。
助けてもらったことに引け目を感じてはいけません。
自分ですべてを完璧にしないといけないという思い込みを捨てましょう。
大切なのは結果です。
経過を評価することも大切ですが、途中にトラブルがあっても、誰かの助けがあっても結果が整えばOKです。
インポスター症候群の人は、何かと言い訳をつけて自分を評価しません。
その多くは、完璧にこなせなかったとか、誰それの助けを必要とした、です。
あなたの上司はそんなことを要求していません。
大切なのは結果です。
結構苦手な人が多いのではないでしょうか?
褒められたら、謙遜することを美徳と捉えている人にとってはハードルが高いかもしれません。
でも、敢えて謙遜はしないでください。
特に海外の人と仕事をすると、外国人は謙遜を美徳とはとらえてくれません。
誰かに褒められたら、
「ありがとうございます。次も頑張ります」
と、答えましょう。
NLP(ニューロ言語プログラミング)でいうところのチャンキングです。
チャンキングとは、目標に到達するまでの過程を細分化して、小さな階段を作る作業です。
チャンキングをすることで、自分でできたことと、出来なかったことを可視化することができます。
すると出来たことを評価しやすくなります。
自分で出来たことは素直に褒めましょう。
今挙げた方法を実践してみたものの、どうしてもスッキリしない。
頭にモヤモヤとした感じが残って、結局自己否定に戻ってしまう。
そんな方は決して珍しくありません。
こういった深層心理に関わる変化を受け入れることができない理由の一つに、変化を拒否する人間の特性が挙げられます。
人は本能的に変化を拒否するものです。
今までもこうやって生きてきたから
なんだかんだでこのままでも生活はできるから
変わらなくてもちょっと不便なだけ
そんな気持ちが変化しようとする自分を元に戻そうとします。
悪魔が耳元でささやくが如く
深層心理から自分を変えるためにするべき治療として欧米では催眠療法が頻用されています。
多くの大学が学生のカウンセリングに利用していることは有名です。
まずは簡単な自己暗示法から始め、効果に応じて専門家の治療も考えても良いかと思います。
あらゆる自己暗示の基本は、エミールクーエの自己暗示にあります。
まずは、エミールクーエの自己暗示を実践しましょう
参考