初めて臨床現場から製薬企業に転職して、大きく悩んだのが目標設定。
ある日人事の方に言われました。
「短期・中期・長期に分けて目標設定して、自分のキャリア形成に必要なことを書き出してください。」
サラっと、言われてビビりましたよ。
そんな質問されたことがありません。
医師をしている時のキャリア上の悩みなんて、
- 何科になるのか?
- 大学院に行くか否か
- 勤務医を続けるのか?開業医を目指すのか?(私の場合は企業に転職するか否か)
くらいしかキャリアを考えたことはありません。
後はひたすら自己研鑽。
専門医を取る努力をしたくらい。
企業に勤めてる人ってすごい!!
って本気で思いましたよ。
一度悩めばそれ以降は何とかなるんですけどね・・・・
ただ、日々の生活で精いっぱいで10年後の自分なんて想像できない人もたくさんいることを知っています。
もしあなたがそんなお悩みをお持ちなら、ちょっとしたコツをお伝えします。
まず大切なのは、あなたの思考のクセを理解すること。
あなたの思考のクセを理解すると、有効な目標・目的を立てることができます。
こんにちは。
製薬企業医師のヒロスケです。
今回は「目標の立て方と思考のクセ」です。
目標を立てる時の思考のクセとは?
人の目標は、大きく分けて二つに分けられます。
一つは「○○になりたい」と何かを追求するタイプのもの
もう一つは「○○を治したい」と何かを取り除こうとするタイプのもの
前者を目的追及タイプ、後者を問題回避タイプと呼びます。
目標設定に苦手意識を持っている人の多くが問題回避タイプです。
なぜなら、「○○を治したい」の○○にはネガティブな単語が入ります。
例えば「あがり症を治したい」といった目標を設定したとします。
その目標を達成するためには、毎日その目標を考えなければなりません。
しかし、人の脳はその目標が否定形であれば、否定したモノを頭に浮かべて打ち消そうとします。
よく心理学で使用される例として
「ピンク色の象を・・・・考えないでください」
という質問があります。
こういった質問をされると、人はまずピンク色の象を想像して打ち消します。
つまり、問題回避型の目標設定をすると、毎日あなたが悩み苦しんでいる内容を思い浮かべることになります。
「貧乏から脱したい」→貧乏な自分をイメージする
「喫煙を辞めたい」→煙草を吸っている自分をイメージする
「仕事を首になりたくない」→首になっている自分をイメージする
目標の内容にネガティブな単語が含まれると次第にネガティブな単語に引っ張られる現象を心理学では「逆引き寄せ効果」と言われます。
こういった目標設定をしてきた人は、目標設定で上手くいった経験がなく、それだけ目標設定に意味を見出せません。
ただ問題回避パターンの思考のクセが本当に悪いモノか?
と、言われるとそうではありません。
例えば、目標に対して計画を立てると、その計画の中で取り除くべきハードルに気がつくかもしれません。
そのハードルを取り除くには、問題回避の思考は重要な因子となります。
目的追及の思考パターンだけでは、取り除くべきハードルがあるにも関わらず直進して大けがをする可能性もあります。
目的追及を大きな目標設定に利用し、問題回避を詳細のプランニングに利用する。
両者をバランスよく利用することこそが目標設定のコツとなります。
目標がないと不安なあなたへ
上述したように、あなたの思考のクセは問題回避パターンが主な思考パターンになっています。
すると将来の夢が描きにくくなります。
その結果、自分の目標を聞かれると上手く答えれません。
しかし、実際には目標がないわけではないはずです。
きっと目標が問題回避パターンであるため、時間の経過とともに目標を見失ってしまったのです。
まずは大きな目標に、幸せな、楽しくなるようなイメージをしましょう。
目的追及パターンで目標を立てることで見失う可能性が無くなります。
まずは想像できる限り詳細で具体的な燃えるような情熱をもって取り掛かるための目標を立てましょう。
あなたが改善したいコンプレックスがなくなったらしてみたいことをイメージしましょう。
コンプレックスは無くなったものと仮定して考えるのです。
ここで、注意を一つ。
問題回避型の目標設定になれている方は、大きな目標を設定してもちょっとした躓きが気になってしまいます。
最終目標を設定するときには躓きなど気にしてはいけません。
そのような躓きを心配するのは次の段階です。
目標設定の作り方
上述したように最初にするべきは、最終目標の設定です。
あくまでも楽しく・幸せなイメージです。
大きな目標を設定して、それから中間地点をいくつか設定します。
「小目標」と「中目標」を設定します。
小目標は毎日コツコツ続けることが大切な内容
中目標は期限を切り、達成するべき目標
最終的な大目標はその先にあります。
小目標はできるだけ詳細に記載しましょう。
ビジネス心理学で良く利用されるのが、「SMARTの法則」です。
S:Specific(具体的にわかりやすく)
M:Measurable(計測可能で数字になっている)
A:Achievable(同意して達成可能な)
R:Relevant(関連性を持った)
T:Time-bound(期限が明確、今日できる)
目標に挫折しそうになった時は?
時には思いがけないトラブルもあるでしょう。
そんな時には計画の練り直しが必要になります。
計画の練り直しは決して悪いことではありません。
考え方を変えてみてください。
当初の計画では予想しなかったハードルに気づいたということです。
つまり、計画を練り直しが必要に迫られたということは、成功するために必要なスキルに気がついたということです。
ただ大勢に影響のないハードルにはこだわってはいけません。
時と場合によっては、無視することを重要です。
目標までの実践
ビジネスの世界における作業工程にPDCAサイクルやT.O.T.Eモデルと言った考え方があります。
計画をし、実践し、確認し、評価する。
大きな目標を達成するためには作業の繰り返しです。
その作業を評価する過程を持てば計画の練り直しは必然です。
大目標を細分化して、中目標ができます。
中目標を細分化して、小目標ができます。
ただ目先の小目標を達成するために集中しすぎて大目標を見失わないでください。
小目標ばかりに意識が向いてしまう人は、自分が問題回避の思考パターンに陥っていると自覚しましょう。
大目標に向かって目的追及の思考パターンに戻りましょう。
大目標に燃えるような情熱を注入するからこそ、日々のモチベーションが維持されます。
大きな目標を達成するためのサクセスマップは、まずは大きな道筋を描きましょう。
その途中途中に難所があるかもしれませんが、その難所はその時その時に細分化して対応しましょう。
効果的な目標設定の仕方を学ぶことはあなた自身の成長と成功に役に立ちます。
そうは言うものの問題回避パターンで長く思考回路が固まってしまっている人は、中々思考回路を変更することはできません。
まずは思考回路の変更から始めることをお勧めします。
これまで何度ともなく目標設定から実行が失敗に終わってきた人は、まずは思考回路を変更しましょう。
思考回路の変更のために、まずは思考回路が出来上がるメカニズムを脳神経学的にお話したいと思います。
メカニズムを理解すると、思考回路の変更の方法も円滑に理解できると思います。
続けて以下の記事をご確認ください。
参考:思考パターンとは?脳神経学における神経回路から考えてみる。
ビジネスの目標も大切ですが、あなた自身の人生の目標も大切です。
なりたい自分に成れずに悩んでいる人のために、以下の記事を準備しています。
変わりたいけど変われないあなたのお手伝いをさせてください。
参考:変わりたいのに変われない。そんな自分が大嫌い。治す方法は?
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