省察(せいさつ)とは、自分のことをかえりみて考えをめぐらすことを言います。
反省は、何か起きた事象に対してかえりみて考えることを指します。
ただ反省にはネガティブなイメージが付きまといます。
失敗の原因を突き止めるようなイメージがありますよね。
もっとポジティブに自分がどうしたらよいのか?どうすれば成長するのか?
そういった考えに至る作業が省察です。
こんにちは。
製薬企業医師のヒロスケです。
今日は「省察」についてです。
省察とは?
私は外来で省察という言葉をよく利用します。
先に述べましたように、反省にはどうしてのネガティブなイメージが付きまといます。
省察の実例を外来業務を例にお話ししますね。
私は糖尿病の患者さんの診察をする時に、まず血液検査の結果を患者さんに渡します。
医師によって様々手段があると思いますが、私の師匠の教えです。
血液検査の結果を見て、患者さんがどう感じているのかを観察します。
糖尿病の評価にはヘモグロビンA1cという数値を参考にします。
数値が高くなったのか、下がったのか、変化がないのか。
先の外来から今回の外来までの生活習慣をかえりみてもらいます。
結果を見て反応は様々。
それこそ喜怒哀楽あります。
- こんなに良くなった。うれしい!!(喜)
- なんでこんなに悪くなってるんだ、おかしいだろう(怒)!
- また悪くなった(哀)。
- 安定してる。少しくらい甘いモノ食べてもいいかしら(楽)。
こういった反応を見て、共感の言葉に続いて一言。
「今回の採血の結果は、考えていた結果と比べてどうですか?」
結果の善し悪しに批判は必要ありません。
患者さんの生活習慣をかえりみてほしいだけ。
結果が優れていれば、継続を。
結果が予想より悪ければ、改善を。
自分で気付き、ポジティブな行動に移してもらいたいから「省察」してほしいのです。
禁煙外来でも同じようなやり取りをしています。
省察が上手くできない人の特徴は?
私が省察を促しても、どうしても反省してしまう人がいます。
結果に落ち込み、強く自己批判をしてしまう人です。
しかし強く落ち込む割には、次の外来でも改善が見られません。
こういった人は、始めは次こそはと頑張るのですが、結局諦めてしまう人が多いです。
結局のところ自分はダメなんだ、自分にはできない、頑張れないと思い込んでいるんです。
外来であれば、じっくりと少しづつ課題を与えて、成功体験を積み重ねるよう促します。
成功体験が自己肯定感に繋がり、自分でもできるんだと思えるようになると省察は非常にうまく回るようになります。
そうすると糖尿病のコントロールは驚くほど上手くいきます。
結局、省察が上手くできない人は、自己肯定感が低い人と言えます。
自己肯定感が低いから、どうせ無理と諦めてしまうのです。
省察を上手くできる様になるためには
繰り返しますが、省察に自己否定は必要ありません。
事実を把握して、次につなげるだけです。
省察に関しての本はたくさんあります。
省察に関連した言葉としては、
- 内省
- リフレクション
といったワードがあります。
こういった本をいくつか手に取って読んでみましたが、実践内容を見ると違和感を感じます。
自らをかえりみて考える作業には良好なマインド、自己肯定感が必要なのに、その点が欠如している本が大半です。
- 次は成功する。
- 自分は成長できる。
そう信じるためには、自分自身を信じていなければ不可能です。
省察を上手くできる様になるには、まずは自己肯定感を改善させましょう。
いつも反省してしまい、落ち込んでしまうあなたに必要なのは自己肯定感です。
自己暗示でも、自己催眠でも、何を利用しても良いでしょう。
簡単な自己暗示法を紹介しておきます。
まずは、エミールクーエの自己暗示法から試してみてください。
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