兄貴は成績優秀で、スポーツ万能。
それに比べて俺は成績は平均、スポーツも万能ってわけではない。
両親とも兄貴をいつも褒めてて、子供の頃からお兄ちゃんみたいになりなさいって・・・・
なんだよ、兄貴ばっかり。
どうせ俺なんて・・・。
社会人になって、離れて暮らすようになって惨めな気持ちは少しはマシになった。
でも盆や正月に帰省するとまた惨めな気持ちになる。
何とかならないかな。
このままずっと兄貴へのコンプレックスを持って人生を送るんだろうか・・・。
心理学ではこの兄弟・姉妹に対してのコンプレックスを「カイン・コンプレックス」と言います。
旧約聖書のカインとアベルの兄弟のお話に出てくる兄弟げんかをもとにした名称です。
こんにちは。
製薬企業医師のヒロスケです。
兄弟・姉妹に対してのコンプレックスを抱いている人は結構います。
実は私もカインコンプレックスを持っていました。
姉と弟がいますが、二人とも子供の頃から非常に優秀でした。
中高と学年の成績はいつもトップ5に入るような存在で、私はせいぜい50番~100番くらい。
親にはいつも姉と弟を見習えと怒られてました。
高校3年と浪人生で成績は取り戻しましたが、やっぱりどこか二人には気後れするところがあります。
カイン・コンプレックスの原因は?
原因のほとんどは当事者は含まれません。
カイン・コンプレックスの原因のほとんどは両親の子育て方針にあると言います。
子育ての中で兄弟間を比較することで生じると言います。
「お兄ちゃんを見習いなさい」
「お姉ちゃんはすぐにできたのに」
「弟の方がしっかりしてるってどういうこと?」
「妹を見習ったら?」
コンプレックスは必ずしも目上が対象になるとは限りません。
兄弟間での比較は、成人しても子供に影響を及ぼす可能性があります。
兄弟間で幼い頃より比較され、否定され続けると自己肯定感が育ちません。
親からの愛情を感じることができなくなり、様々なことで劣等感を感じるようになります。
ただ同じような状況でカインコンプレックスを抱かない人もいます。
それは、親兄弟に無関心になる人たちです。
無関心になってしまえば、コンプレックスなど抱きません。
しかし、カインコンプレックスに悩む人は心のどこかで家族を大切にしたいという優しさを持っています。
そう、あなたは優しい人なのです。
カイン・コンプレックスを抱き続けることのデメリット
成人しても血のつながりは切れません。
兄弟・姉妹は仲がいいのに越したことはありませんよね。
カインコンプレックスを有する人は優しい人です。
しかし、コンプレックスを解消できないと、一緒にいる時間が苦痛となり、疎遠になります。
医師をしていると、仲の良い兄弟、悪い兄弟を様々な兄弟で出会います。
親が危篤に陥った時に仲の良い兄弟は、対応策で揉めることはありません。
疎遠になってしまうと、上手く話し合いができません。
結果対応策で揉めてしまい、治療のタイミングを逃してしまうことも珍しくありません。
逆に急性骨髄性白血病になった弟を助けたい一心に自分の骨髄を使ってくれと懇願してきたお兄さん、お姉さんもいました。
親心からすると兄弟はずっと仲良くいてほしいものです。
カインコンプレックスを持つ人は、真面目な人も多いです。
だから何かと自分に責任を感じがちです。
するとカイン・コンプレックスのみならず、様々なことに劣等感を感じるようになります。
多くの事柄に劣等感を持つようになると、すべてにおいて後ろ向きとなります。
挑戦を恐れ、失敗を恐れるようになります。
科学の発展スピードがますます加速している現代において新たなことに挑戦できないことは致命的と言えます。
カイン・コンプレックスを抱いている方は克服しなくてはなりません。
カイン・コンプレックスの呪縛から解き放たれなくてはなりません。
カイン・コンプレックスを克服するには?
カイン・コンプレックス自体は、親元・兄弟から離れて過ごすと顔を出すことはありません。
無関心・無関係になってしまえば良いのです。
実際にカイン・コンプレックスの解決方法に「家族と離れて暮らす」というものがあります。
しかし根本的な解決になっているのでしょうか?
そもそも真面目で優しさを持つあなたは、出来れば親兄弟とも上手くやっていきたいと思っていると思います。
したがって最も解決すべき問題は、深層心理に潜んでいる劣等感です。
重度の劣等感は現代社会においては致命的になりかねません。
劣等感が深層心理に存在していると前向きな生活ができなくなります。
前向きになれないと、ちょっとしたことでも挑戦ができなくなります。
仮に挑戦できても、ちょっとした障害で心が折れてしまいます。
逆に言えば、深層心理に潜む劣等感を克服すればカイン・コンプレックスも克服できます。
劣等感とは何でしょう?
誰かと比較した時に自分が劣っていると感じてしまうことですよね。
誰でも少なからず劣等感を抱く対象はいるものです。
しかし強いカイン・コンプレックスを抱く人は、不特定多数の人にも劣等感を感じてしまうようになります。
またそもそも比較する必要のない内容であっても比較し、劣等感を感じます。
こういった方に必要なのは、自己肯定感です。
自己肯定感を養わなければなりません。
自己肯定感は潜在意識下にある自己イメージが元になっています。
自己イメージがいつも成功できないイメージである限り劣等感は排除できません。
自己イメージが成功できると信じられる自分であれば劣等感は排除できます。
あなたの自己イメージはどういった印象ですか?
どうイメージしても成功できる自分が想像できないなら、以下の記事を参考にしてください。
もっと自分を肯定的にとらえることができる様になります。
自分を肯定的に捉えるようになるには、まずは「ポジティブ思考回路」を手に入れなければなりません。
ポジティブ思考回路を手に入れるための必要な知識と方法を以下の記事にまとめました。
ぜひ参考にしてください。
参考:思考パターンとは?脳神経学における神経回路から考えてみる。
知識よりも実践方法を知りたい!!
という方には、多くの心理学や精神療法の大本である自己暗示法は「エミールクーエの自己暗示」をお勧めします。
参考:エミール・クーエの法則で、きっといいことがある!の根拠は?
あなたが今感じている生きづらさが
改善して、生き生きと生活できるようになることを
心よりお祈りしております。
太田比呂介
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