朝出社前に起きるのがつらいと感じるのは、誰しもが経験すること。
特に連休の朝は多くの人がそういった気持ちになるので、SNSでは「仕事行きたくない」がトレンド入りします。
休み明けには、会社に行きたくないとつぶやくと、沢山の人が共感のコメントをつぶやきます。
決して「仕事に行きたくない」と思っている人はあなただけではありません。
ただ実際に「仕事に行きたくない」と思っても、実際に仕事を休む人は全体から見ると少数です。
そういった人が解決すべき問題と対処法を紹介いたします。
こんにちは。
製薬企業医師のヒロスケです。
今回は「仕事に行きたくない人」への処方箋です。
助けてほしいと感じた時に誰にヘルプを頼むか?も記載します。
仕事に行けない人の人口は?
実際に仕事に行けない人は何かしらのメンタルヘルスに異常をきたしていると考えられます。
メンタルヘルスの観点から統計をチェックしました。
ちょっと古いデータしかありませんでしたが、平成30年のデータになります。
直近のデータは新型コロナウイルスの影響が大きいため、ある意味信用できないので客観的には実情を反映していると思います。
平成30年に厚労省が発表した「労働安全衛生調査」によると、平成29年~30年の間にメンタルヘルス不調により連続1か月以上休業した労働者は全体の0.4%と報告されています。
日本の労働者人口は約6900万人ですから、休業者人口は約2万7600人という計算になります。
もちろん1か月未満の休業者はもっといると思われます。
会社を休みがちになる理由
会社に行けなくなるには、いくつかの理由があります。
その理由は人それぞれだとは思いますが、代表的なものは以下の5つではないでしょうか?
仕事のプレッシャー
仕事におけるノルマと言っても良いでしょう。
営業職の方の多くが経験しているであろうノルマ
全社の営業目標をブレークダウンして、各支店の売り上げ目標が設定されます。
各支店の売り上げ目標をブレークダウンして、各営業員のノルマが設定されます。
ただ売れる商品だけを紹介していればよい状況と売れない商品を売り込まなければならない時とでは、感じるプレッシャーも違います。
またそもそも人見知りで営業そのものが苦手な人もいるでしょう。
ノルマは売り上げだけではありませんよね。
期限のノルマも有ります。
必要なデータを期限に合わせて揃えなけばならないプレッシャーもあります。
疲れが取れない
毎日の残業やハードスケジュールで疲労がたまっている時にも仕事には行けなくなります。
ベッドから起き上がれないような状況。
こういった状況には、ハードなノルマが付きまといます。
休みたいけど、休めない。
そんな状況が続くと、心も体も疲弊してしまいます。
職場の人間関係
人の悩みの80%は人間関係と言われます。
職場の人間関係が上手くいかないと仕事に行きたくなくなるのは理解できます。
職場の雰囲気になじめない、ってのもありますよね。
妙に体育会系のノリについていけない人もいるでしょう。
参考:職場の人間関係には深入りしないで上手くやっていくコツとは?
「会社を休みがち」を改善する方法
助けてほしいと感じたら、まず最初に行う行動は、心療内科もしくは精神科の受診です。
「適応障害」を発症していないか否かを判断しましょう。
適応障害とはストレス障害の一つです、
気分の落ち込み、意欲低下、不眠といった症状があります。
よくうつ病と混同されますが、別の疾患です。
ただ適応障害も放置しておくとうつ病に進展するリスクがあることから適切な処置が必要になります。
特に早期に心療内科や精神科を受診する必要があるのは以下の症状を有している時です。
- 気分の落ち込みから涙もろくなる。何事にも意欲が湧かない
- 動悸や焦燥感がある、怒りっぽくなる。
- 頭痛やめまい、腰背部痛、感冒症状、腹痛と言った身体症状
以上の症状に該当する人は医師の診療を受けることを強くお勧めします。
適応障害の段階で適切な処置を行えば治療期間は半年未満で回復します。
以前声優の石井マークさんが適応障害で休職してましたが、半年で復帰されたニュースがありました。
適応障害が否定されていても、仕事に行くことが困難な人はその原因に応じた行動が必要です。
仕事上のプレッシャーや人間関係に悩みがあるなら、直接上司に相談するべきでしょう。
上司に相談することが困難なら、職場の産業医に相談しても良いでしょう。
ただ全ての職場に産業医が常駐している訳ではないですよね。
会社の関係者に相談することに躊躇するなら、厚生労働省のポータルサイト「こころの耳」から相談してみるのがもっとも簡単です。
会社に行きたくない人へ
会社に行きたくない人のためのホームページやブログを見ると、大半のサイトが転職サイトの紹介につなげます。
個人的には自分の能力をもっと評価してくれる会社があるなら転職に躊躇する必要はないと思っています。
私自身も病院から製薬企業に転職し、現在の会社が3社目です。
ただ安易に転職をお勧めするつもりはありません。
現職でまだやれること、学ぶことがあるなら、まずは現職で腕を磨くべきです。
現職で何かしらの能力を手に入れてから転職しても遅くはありません。
逆にいうと現職で学ぶことがないなら転職しても良いでしょう。
転職するならステップアップが前提でないとメリットはありません。
どうですか?
学ぶことはありそうですか?
何か一つでも学ぶべきことが見つかれば、あなたはまだ転職の時期ではありません。
学んで、身につけてから転職を考えましょう。
もしかしたら、身につけた何かによって会社におけるあなたの立場は大きく改善しているかもしれません。
あまり学ぶことがなさそうなら躊躇する必要はありません。
どうしてもやる気が出ないあなたへ
病院に行ったけど、適応障害やうつ病は否定された。
でも、どうしてのやる気が出ない。
そんな人もいると思います。
そんなあなたに読んでい欲しい記事が以下の記事です。
参考:仕事へのモチベーションが切れた時の原因とは?するべき事は?
仕事のモチベーションには二つの要因があると言われています。
あなたの職場と労働条件を確認してください。
週末が明けた月曜日に意欲的に仕事に向かうことができるようになることをお祈りしております。
応援していますよ。
太田比呂介
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