時々緊張のあまりに吐き気がする時があるので、吐き気止めをください
そんな患者さんに出会うことがあります。
自己紹介、プレゼンなど大勢の人の前で話をしなくていけない状況が苦手なんです。
吐き気止めを前もって飲んでおきたいのですが?
お気持ちはよく理解できます。
ただそういった場合に吐き気止めを内服してもあまり効果は期待できません。
どうしても内服するとしたらマイナートランキライザーと言われる種類の薬です。
比較的よく利用されるのは「アルプラゾラム」でしょうか。
こんにちは。
製薬企業医師のヒロスケです。
今回はあがり症対策の一つ
「緊張と吐き気」です。
緊張すると吐き気がするのはナゼ?
これまでもご説明してきましたが、過度な緊張状態の時には自律神経である交感神経が亢進しています。
交感神経が亢進すると胃の動きを抑制します。
同時に胃の分泌物も減少します。
結果胃もたれ感から吐き気が生じます。
実際吐き気止めで利用される薬剤の多くは胃の動きを促進する方向に働きます。
緊張から吐き気を予防する方法は?
内服薬が必要と考える場合には「アルプラゾラム」が適当です。
アルプラゾラムは脳におけるリラックス系の神経(GABA)を活性化させます。
脳のリラックス系の神経を活性化させるスイッチ(受容体)は、ベンゾジアゼピン受容体と呼ばれています。
このスイッチをオンにする薬剤は、ベンゾジアゼピン系薬剤と呼ばれています。
効果は、抗不安、催眠、鎮静などが期待できます。
しかしながら、長期の使用で依存性を認めることがあるため常用することはお勧めできません。
緊張する時だけ内服するような形をとるより、常時安定した効果を得るSSRIが良い適応になります。
参考:SSRIでセロトニンを増やすことがあがり症に効くのはナゼ?
ただしSSRIが100点満点の薬ではありません。
SSRIを内服している間は緊張感はコントロールできるが、内服を中止すると元通り・・・。
そんな状態では、とても治療を行っているとは言えません。
根本的な治療が必要です。
治療にはいくつかの方法がありますが、私がお勧めしているのは「催眠療法」です。
治療についての詳細は以下の記事を参考にしてください。
参考:極度の緊張症を劇的に解消するには?治療が成功しない理由は?
あなたの人生が明るく輝いたものになることを
心よりお祈りしております。
太田比呂介
参考記事
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